生活習慣病

生活習慣病

生活習慣病
  • 過食や偏食、運動不足、嗜好品(タバコ・お酒など)の過剰摂取や、不摂生な生活などが原因で起こる慢性疾患が生活習慣病です。生活習慣病の代表的な疾患には、糖尿病をはじめ、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、高尿酸血症(痛風)などがあります。
  • 改善するためには、食事の改善と運動療法を行うことが重要です。時間をかけたヒアリングで見直さなくてはならないポイントをアドバイス致します。

糖尿病

何らかの原因により、血液中のブドウ糖が細胞にうまく取り込まれなくなることでエネルギーとして十分に利用されず、慢性的に血糖値の高い状態が続いてしまう疾患が糖尿病です。長期にわたって糖が過剰な状態が続くと、動脈硬化などにより全身の血管に様々な問題が現れ、悪化すると心筋梗塞や脳梗塞、人工透析や失明など、深刻な事態に陥る場合があります。糖尿病は現在のところ完治させることはできませんが、生活改善や薬物療法などによって血糖値を正常に保ち、また体重や血圧、血中脂質も一緒に良好な状態に保てば、合併症を起こさずに健康を維持することは十分に可能です。

高血圧

血圧がある程度の範囲を超えて高く維持されている状態が高血圧です。血圧の高い状態が続くと、血管の壁が圧力によるダメージを受けます。すると血管壁が厚くなったり、硬くなったりして、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病などを引き起こしやすくなります。なお、診察室(外来)で血圧計測する場合は、130/85mmHg未満が正常血圧となりますが、140/90mmHg以上は高血圧(家庭で計測する場合は、135/85mmHg以上は高血圧)とされています。

脂質異常症

  • 脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)の濃度が慢性的に高い状態を言います。放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などの原因となります。
    以前は高脂血症と呼ばれていましたが、HDL(善玉)コレステロールが少ない状態も異常であることが判明し、脂質異常症と呼ばれるようになりました。
  • 血中のコレステロールや中性脂肪が過剰になる原因としては、LDLコレステロールを多く含む食材(卵、レバー、魚卵など)が中心の食生活や、慢性的な運動不足による血行不良などが挙げられます。
  • 治療については、生活習慣の改善と薬物療法が基本です。なかでも重要なのが食生活の改善です。高LDLコレステロール血症の方では動物性脂肪を含む食品を減らして植物性脂肪を含む食品を増やす、コレステロールを多く含む食品を減らす、野菜やきのこなど食物繊維をたくさん含む食品を積極的に摂る、高トリグリセライド血症の方の場合は糖質の多い食品やお酒を控える、摂取エネルギーをコントロールする、といったことを行います。
  • 脂質異常症ってどんな病気?

    血液中には脂質(コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸)が含まれているのですが、そのうちLDL(悪玉)コレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)が過剰な状態にある、またはHDL(善玉)コレステロールが少ないと脂質異常症と診断されます。このような状態にあると動脈硬化を引き起こしやすくなるとされ、さらに症状が進むと脳卒中や心筋梗塞といった病気を起こすようになるので要注意です。また、動脈硬化に起因する病気だけでなく、脂質異常症の発症がただ、LDLコレステロールを多く含む食事(卵、レバー、魚卵 等)が中心の食生活や血行を悪くさせる慢性的な運動不足などによって、これらが過剰になってしまうと、LDLコレステロールなどが血管内で蓄積するようになって、やがて動脈硬化が起き、さらに進行することで血流が悪くなったり血管が詰まったりして、脳梗塞や心筋梗塞といった病気を発症するようになるのです。きっかけとなって、膵炎(急性)、胆石症、脂肪肝といった疾患になることもあります。

    そもそもコレステロールや中性脂肪は体にとって不可欠なものです。コレステロールは、胆汁酸やステロイドホルモンの原料でもありますし、中性脂肪は体内にエネルギーを貯蔵する働きがあります。ただ、これらが過剰になってしまうと、LDLコレステロールなどが血管内で蓄積し、やがて動脈硬化が起きてしまいます。さらに進行すると血流が悪くなったり血管が詰まったりして、脳梗塞や心筋梗塞といった病気を発症するようになるのです。
    このような場合は、高LDLコレステロール血症と診断されますが、中性脂肪(トリグリセライド)の数値が高ければ高トリグリセライド血症、HDL(善玉)コレステロールの数値が少なければ低HDLコレステロール血症と診断されます。

  • 健診で指摘されて気づくことが多い

    脂質異常症は発症しても、自覚症状が出ることはほとんどありません。そのため動脈硬化を引き金として起きる病気(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症)の症状で気づくということも少なくありません。したがって、多くの方は定期的に行う健康診断の結果などから、LDLコレステロール値などの数値以上を医師から指摘され気づくということが大半です。症状が出ていなくとも、この時点で治療や予防に努めることができれば、重症化するリスクが防げるようになるので、一度ご受診ください。なお診断基準となる数値につきましては以下の通りです。

    • LDLコレステロール値 ≧ 140mg/dL(高LDLコレステロール血症)
    • 中性脂肪≧150mg/dL(高トリグリセライド血症)
    • HDLコレステロール値<40mg/dL(低HDLコレステロール血症)
  • 治療について
    治療について

    脂質異常症の治療や予防で大切とされていることが、食生活の改善です。なお脂質異常症のタイプによって、控える食品、積極的に摂取した方がよい食品というのがあります。

    例えば高LDLコレステロール血症の方であれば、コレステロールを多く含む卵黄、魚卵、内臓(レバー)、乳製品(バター、生クリーム、牛乳)、脂身の多い肉、イカ、タコ、エビなどは控えるようにし、食物繊維を多く含む野菜、きのこ、海藻などを積極的に摂取していきます。なおたんぱく質をとる場合は大豆製品(豆腐など)を中心とします。高トリグリセライド血症の方は、お菓子や果物、ジュース類といった糖分を多く含む食品は避けるほか、節酒も行っていきます。また低HDLコレステロール血症の方は、トランス脂肪酸が多く含まれた食品を摂り過ぎないようにします。

    このほか、どのタイプであっても運動療法は効果的です。運動内容としては、無理のない軽度な有酸素運動(ウォーキングなら1回30分程度)で問題ないですが、できるだけ毎日行うようにしてください。運動には、HDLコレステロールを増やしたり、中性脂肪(トリグリセライド)を減らす効果があるとされています。なお運動を行う際はその内容について医師に相談するようにしてください。

    これら生活習慣の見直しだけでは改善が見込めない場合(LDLコレステロール値が下がらないなど)は、薬物療法も併行して行うようにします。なお、LDLコレステロール値が目標値まで下がる(平常の数値まで戻る)と、HDLコレステロール値や中性脂肪の数値も改善されるようになることが多いです。

高尿酸血症(痛風)

  • 高尿酸血症とは、体内の血液中にある尿酸が過剰な状態をいいます。尿酸が血液中に尿酸塩として増え過ぎると針のような結晶の形で関節付近に溜まり、激しく痛みます。脂質異常症、糖尿病などと併発して発症する場合が多く、心疾患や腎障害、脳管結石などを合併することがあります。
  • 治療に関しては、食事療法ではプリン体を多く含む食品やアルコールを控え、運動療法ではウォーキングや水泳などを継続して行います。また血液検査で尿酸値を測定し、痛みが出る前に治療を始めることも可能です。
  • 高尿酸血症(痛風)ってどんな病気?

    血液中には尿酸が含まれているのですが、この尿酸が必要以上に多くなっている状態が高尿酸血症です。具体的には、血清尿酸血値が7.0mg/dLを超えている場合(年齢・性別問わず)を言います。

    この尿酸は水に溶けにくい性質でもあるのですが、血液中で過多になると尿酸塩(針状の結晶)となって存在するようになります。そして尿酸塩が関節(とくに足の親指の付け根付近)などに溜まるようになると、患部が赤く腫れてけっこうな激痛に襲われる炎症発作が起きることがあるのですが、これを痛風と言います。高尿酸血症と診断された方は、いつ痛風が起きてもおかしくない状況です。

    なお高尿酸血症は、痛風が起きない限りは自覚症状が現れることはありません。そのため、これといった治療や予防をしないで放置したままでいると、腎障害、心疾患、尿路結石、痛風結節といった疾患が合併症として現れるようになります。したがって定期的な健診(血液検査)を行った結果、医師から尿酸値が高いとの指摘を受けたら一度ご受診されることをお勧めします。

    また尿酸が増える原因については、先天的な代謝異常、尿酸の元になるとされるプリン体を多く含む食品(レバー類、干し椎茸、魚卵類、えび、かつお、いわしなど一部の魚介類)の摂取、尿酸値を急上昇させるアルコールの多量摂取、無酸素運動のやりすぎといったものが考えられます。また、遺伝的な体質などによって尿酸の排出が悪くなっている可能性もあります。

  • 治療について

    治療や予防が必要となった場合は、まず食生活の改善から始めていきます。具体的には、栄養バランスのとれた食生活(野菜、海藻、きのこ、豆類などを積極的に摂取、ごはんは適量、主菜は肉類よりも魚、大豆製品を中心にして塩分は控えめ)を心がけるほか、水分をしっかりとって尿量を多くし、尿酸を尿と一緒に排出するようにします。そして、プリン体を多く含む食品は避け、節酒することも大切です。また、適度な有酸素運動(1回30分程度のウォーキングなど)を継続的に行うことも大切です。なお、運動メニューについては医師と相談するようにしてください。

    このほか薬物療法として、尿酸値を下げる薬(尿酸の生成を減らす効果がある薬、尿酸の排出を増やす薬)が用いられます。

管理栄養士による食事指導/要予約制(月1)

糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病、毎日の食事にお困りの方、ご相談ください。それぞれの患者さんに適した栄養指導を致します。

西野 枝三

  • 管理栄養士
  • 調理師
  • 野菜ソムリエ

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